割れ窓理論とヒヤリ・ハット

事故やクレームを減らすには、日々のささいなミスを減らしていくことが大切です。

環境犯罪学の「割れ窓理論」に、こうあります。

「建物の壊れている窓を放置すると、誰も注意を払っていないことの象徴になり、やがて他の窓もまもなく全て壊される」。

たしかに、きれいな道に物をポイ捨てするのは気が引けますが、あちこちに吸殻やゴミが落ちているところだと、「誰も気にしてないからいいか」という気になるのが人間です(思ったとしても絶対にダメですよ!)。

この理論が言わんとしていることは、「殺人、強盗といった凶悪犯罪を減らすには、刑罰を重くするのではなく、ポイ捨て、落書き、駐車違反のような小さな犯罪の取り締まりを強化するほうが効果的」ということです。

仕事も同じで、事故やクレームを減らすには、ペナルティーを重くするのではなく、報告書やメールの誤記、メールファイルの添付もれといった、日々のささいなミスを減らしていくことが大切です。

もしみなさんが社長さんだったら、事故やクレームを減らすためにどんな手を打ちますか? うっかりの多い部署はつまらないミスも多いはず――そう考えると、報告書の誤字脱字や失敗コピーの枚数を毎月カウントしてみるのも面白いかもしれません。スタッフのその日の忘れ物とかもね。