校正記号はなぜ片仮名?

トル、ツメ、アキ、ママ…校正記号はなぜ片仮名なのでしょう。

トル、ツメ、アキ、ママ…校正記号はなぜ片仮名なのでしょう。平仮名や漢字より書くのがラク…というわけではなく(まぁ、そういう事情もないことは…)、「修正ミスを引き起こさないため」です。

もっともポピュラーな校正記号「トル」を使って説明しましょう。文中に片仮名の「トル」が出てくることは、トルコとかタイトルくらいでそんなに多くありません。しかし平仮名の「とる」は、あちこちに出てきます。だから文脈にうっかりスポンとはまってしまうと、赤字を直す人が本来削除するはずだった文を、「とる」と打ちかえてしまう危険性があるのです。

では片仮名の「トル」なら絶対安心かというと、そうでもありません。たとえば「サブマリン」を「マリン」にする赤字を、何も考えずに 「サブ」を囲って「トル」と書いたら――あらら「トルマリン」になっちゃいました。書き方がヘタだとこうなります。

この場合は「サブマリン」を全部囲って「マリン」と書けば良いのです。赤字は、直す人が10人いても全員同じ修正結果になるよう書いてあげることが大切で、事故が起きてから、そんなの見ればわかるだろ!と怒っても、後の祭りです。