「おだいりさま」は左側

ひな人形のおだいりさまは「向かって左」というのが一般的で、広告校正のチェック項目にもなっています。

毎年、ひな祭りの季節になるとドキドキしてきます。といっても、別段この時季に胸がキュンとなる思い出があるというわけではなく、ケーキ屋さんやお寿司屋さんのひな祭り用のポスターで、「おだいりさまとおひなさまの並びが逆!」という間違いを時折目にするからです。

おだいりさまは「向かって左」というのが一般的で、広告校正のチェック項目にもなっています。結婚式の記念写真も、新郎は「向かって左」ですよね。調べてみると、もともと「向かって右」だったものが、昭和のはじめ頃、西洋文化にならって今の形になったそうです(諸説あります)。だから今でも古式にのっとったひな飾りは「向かって右」でいいようです。

人形の老舗、吉徳さんのホームページには「古式でも現代式でもそのお家ごとに自由に飾ってよい」とありますが、油断は禁物。時代に即した多様な価値観を尊重する、という意味合いで付けられた注釈なのでしょうが、吉徳さんのひな人形商品紹介ページのおだいりさまはやっぱり全て「向かって左」になっています。危ない危ない。

ちなみに、おだいりさまというのは本来は「お殿様とお姫様のふたり」を指す言葉です。童謡の1節「おだいりさまと おひなさま ~♪」から、おだいりさま=お殿様のひな人形のイメージが世間一般に定着したとのこと。ご存知でしたか?