説明したら復唱してもらおう

私たちの「記憶装置」はそんなに優秀ではありません。それを見越して行うべきことは……

広告校正では、200ページを3日でとか、32ページを1日で処理、ということがよくあります。もちろん何人かで手分けしなければできません。それを管理し、全ページに統一感を持たせるのが窓口さんです。でもここに落とし穴があります。窓口さんが作業手順をていねいに説明すればするほど、チェックもれが増えるのです。なぜでしょう? それは私たちの記憶装置が、そんなに優秀ではないからです。

上質なコミュニケーションを確立する方法はこうです。

〈ステップ1〉 チェック項目をA4用紙1枚にまとめ、担当するスタッフに渡す。
〈ステップ2〉 お願いするのはその中の1項目だけ。1分以内で説明する。
〈ステップ3〉 最後に「何をするんだっけ?」と訊いて、スタッフに復唱してもらう。

参照ノンブルや用字用語のチェックは、1人に任せましょう。そうすれば、説明するのはその人だけでいいし、チェックの精度も高まるし、終わる時間も読めてきます。

覚え間違いや記憶の抜け落ちは、スタッフの数だけ発生します。「ちゃんと説明したのに…」と後になってぼやくようでは、ちゃんと説明したとは言えません。

*【上質なコミュニケーションの確立】 手渡された様々なメッセージを、正確にきちんと手渡しで返すこと。ダンク創立以来の哲学。