安全管理のミーティングをしよう

めんどうがらずに安全管理について話し合いましょう。後がぐんとラクになるはずです。

校正スタッフのミーティングといえば、テーマのほとんどが安全管理に関することです。ではほかの部署もそうかというと、そうではありません。売上目標や仕事の進捗状況の確認などが主で、「安全」が議題になるのは大体何かが起きてからです。

ヒヤリ・ハットを減らすミーティングが、どれだけ重要なのかはいうまでもありません。しかし部署も立場も違うスタッフに、それを理解してもらうのは大変なことです。安全管理は手間も時間もとんでもなくかかると思われています。でも実際はその反対で、少し話し合いをしただけでも後(あと)工程がぐんとラクになることが多いのです。

ハインリッヒの法則、割れ窓理論、三現主義、源流管理、ヒューマンエラー、システムエラー、フィードバック、ダブルチェック…。このような安全管理の専門用語が、ミーティングで自然に使われるようになれば、そのチームは確実に強くなっていきます。

 
 

*【ヒヤリ・ハット】 事故の一歩手前で気がついた、ヒヤリとしたりハッとした出来事。大事故はヒヤリ・ハット300件に1件の割合で起こるといわれています。

*【ハインリッヒの法則】 別名「1:29:300の法則」。1件の重大事故の裏には29件の軽傷事故(クレーム)と300件のヒヤリ・ハットが存在するといわれています。

*【割れ窓理論】 建物の窓ガラスが割れたまま放置されていると、管理人がいないと思われ、凶悪な犯罪が増えるという理論。また、その根源となる小さな不正を徹底的に正すことで、大きな不正を防ぐことができるといわれています。

*【三現主義】 問題解決のためには、「現場」で「現物」を知り「現実」を知ることが大切だという考え方。

*【源流管理】 事故や不具合が発生した場合、理由がどこにあるのか川の流れに例えてさかのぼり、根本的な原因を突き止めて改善すること。製品でいえば、組み立てが誤っていれば工程の修正だけで済むが、元の製図が誤っていたなら工程だけを修正しても欠陥品が量産され続けてしまいます。