今回はすごいの一語に尽きる、某百貨店さんの「初校・色校色の出方などを確認するために、実際の印刷と同じ状態で試し刷りする工程のこと。 Moreのチェックシステム」をご紹介します。通常の工程表には「(月)初校→(水)戻し」くらいしかありませんよね。あってもページ指定くらい。でもこの百貨店さんは違います。工程表というより時間割。初校と色校色の出方などを確認するために、実際の印刷と同じ状態で試し刷りする工程のこと。 Moreをチェックする曜日と時間が、商品ごとに決まっているのです。
チェックは販促さんとバイヤー*さんと私(校正)の3人で行います。まず販促さんが原稿を読み、バイヤーさんと私は校正紙印刷物のデータを確認用に印刷した紙のこと。実際の印刷環境で試し刷りをしたものを指す場合もある。ダンクではカンプとほぼ同義で使用。 Moreに誤りがないかを見ます。原稿の間違いやNGワードの箇所に来ると、販促さんが「『最適』は使えない用語なので、『ぴったり』に変えました」と説明してバイヤーさんの承諾を得ます。そしてひと商品読み終えるたびに「校正さん、何かありますか?」と私に声がかかります。
気になる点があればここで伝えます。「これから老眼鏡を買う人が対象ですから、50代くらいのモデルさんにしたほうが良いのでは?」とか「人工芝の上で撮影しているので、キャンプ場というよりマンションのベランダに見えますが?」とか。これにバイヤーさんが即答し、次回の色校色の出方などを確認するために、実際の印刷と同じ状態で試し刷りする工程のこと。 Moreではすべてそのとおりに直ってきます。これをひと商品ごとにやるんです。すごく細やかな対応ですよね。
*【バイヤー(buyer)】 商品を仕入れる人。「寝具」「収納」「アウトドア」…それぞれにバイヤーさんがいます。