非まじめのススメ

報告書や論文のタイトルといえば、お固い表現が定石です。ちょっと、読むのをためらったり、敬遠したくなってしまう感じですが……

『お利口ばっかりでも,たわけばっかりでもダメよね! 「集団」行動の最適化』

皆さん、これを読んでなんだと思いました?実はこれ、とある報告書のタイトルなんです。

日本動物行動学会さんが発行する『NEWSLETTER』(2004.1)に掲載された、アリの集団行動の研究報告のタイトルです。その一部を紹介すると、アリには「お利口」と「ややバカ」と「大バカ」がいて、「大バカ」なアリの一見非効率的に見える行動が、ときに近道を発見したり、新しいエサ場を見つけたりと、全体行動の効率アップに貢献することもある、という内容の報告書です。

ここでお伝えしたいのは、「バカとはさみは使いよう」ということではありません。

報告書や論文のタイトルといえば、「バーチャルリアリティ技術が地球温暖化に与える影響とは」とか「日本企業に適した被災地支援システムの構築」というような、お固い表現が定石です。ちょっと、読むのをためらったり、敬遠したくなってしまう感じです。

ですが、日本動物行動学会さんはユニークなタイトルでもOKなんですね。ふところの深さを感じます。人間も所詮動物の一種、という思いなのでしょうか。ぜひみなさんも、報告書のタイトルを付けるときの参考にしてください。