日本一の小型国語辞典

「シャープな語釈と実感あふれる用例」……意外性が日本一の秘けつ!?

広告ではほとんどの場合「日本一 NO.1 トップ 最適」といった最上級の表現はNGです。しかし堂々と「日本でいちばん売れている!小型国語辞典!」と宣言している国語辞典があります。それは三省堂の『新明解国語辞典』です。真面目なのか不真面目なのかよくわからない「シャープな語釈と実感あふれる用例」をいくつかご紹介しましょう。

れんあい【恋愛】 特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば不安になるといった状態に身を置くこと。

にげる【逃げる】の用例 刑務所から逃げる。

「全てを犠牲にしても」「二人だけでいたい」…恋愛映画の予告みたいですね。なんかむず痒くなっちゃう。【逃げる】にしても「刑務所から」って発想は出てこないです。「動物が檻(おり)から…」でも「危険から…」でも良さそうなものですが、一瞬ぎょっとするような、こんな意外性が日本一の秘けつなのでしょうね、きっと。