その「お得」、ちょっと待って!

「お得」の押し付けは危険かも。消費者の共感を得ることができなければ逆効果に……

「1セット 5,000円、5,000円でのご提供となります!さらに本日は2セットお買い求めになると9,600円、9,600円とたいへんお買い得です!」なんてテレビショッピングでお馴染みの言葉。

これを見ている視聴者は「たいへんお得」という言葉に敏感です。もともとの「1セット 5,000円」が超お買い得だとしても、2セット買ったときの値引きが400円だと「そんなに安くないなぁ」と思う人も。

この「安くない」というイメージは、へたをするとこの番組で扱う全ての商品に悪影響を及ぼします。「さっきのはそんなに安くなかったし、他のもそうでもないんじゃ…」なんて。ですからこの場合、単に「9,600円でお求めいただけます」とか「少しお得です」のほうが適切なのです。

「今回はこれにプリンターまでお付けして、なんと39,800円!39,800円でご提供させていただきます!」。「たいへんお得」や「なんと」という言葉は、「ほんとだ♪」と、消費者の共感を得ることができなければ逆効果です。「大特価」や「激安」といった抽象的なものより、「半額」といった言い方のほうが具体的で共感が得られますよね。(嫌いな人はいないでしょうし)