看板には「○○屋さんならあの色」という暗黙のルールがあります。そうでなければいけないというわけではありませんが、たとえば中華料理屋さんは赤、カレー屋さんは黄、というイメージは一般的ですよね。
企業はさまざまなシチュエーションで「消費者の目にどう映るか」を考え、色にも趣向をこらしています。季節に合わせて、「新発売」のピクト*を春夏は寒色の水色、秋冬は暖色のオレンジに。行事に合わせて、バレンタインやひな祭りはピンク、端午の節句なら緑や紫、クリスマスは赤と緑、などなど。
またスーパーのチラシは、98円セールのような安売りをアピールするディスカウント型のときは1色刷り、より具体的にシズル感を強調したい「今晩のメニューは○○で!」などのメニュー提案型のときは4色刷りにしている場合が多いです。某大手学習塾の青と黄で配色したチラシには、「名門、勉強する楽しさ」がよく表れています。某携帯電話会社の黒とグレーのシンプルな看板も、きちんとした印象を与えますね。
逆に、目立たせようと黒地に赤文字の看板を出している店をたまに見かけますが、この色は見づらい上に「恐怖、威圧」といった暗い印象を与えます(お化け屋敷とかはいいかもしれませんが)。色がもたらす印象というのはとても影響力がありますので、意図や場合に即した効果的な取り合わせを提案する必要があります。
*【ピクト】 pictographの略。絵文字や商品特徴を表すマークのこと。